伏せの姿勢の犬の胸元(?)によりかかりながらにんげんがききます。



私は犬みたいに大きくなれないんだよねー。


伏せの姿勢の犬の胸元(?)によりかかりながらにんげんがききます。



そうだな。無理らしいぞ。





むー。





にんげんは大きく成りたがるな。


笑うでもなく、犬は淡々とどうしてだ?と言外に聞きました。



私も犬を乗せたい!





そうか、だが……。


寄りかかるにんげんに首筋を擦りつけながら犬は言います。



俺より大きくなったら俺には乗れなくなるぞ。





あ、や、それはやー!


犬の言葉に途端にふにゃらと表情を崩したにんげんは目じりに涙をためながらぎゅうっと犬にだきつきました。



じゃあ小さくていいな。





うん。これでいい……。


ぐすぐすと鼻を鳴らしながら毛並みに顔を擦りつけるにんげんを、犬はすきなようにさせるのでした。
