そういって壱さんはどんどん進んでいく



壱さん、まずはどこから探しましょうか。





ほっほっほ!!!
己が進んだ道が、わしらの進むべき道じゃ!!!





つまり、いきあたりばったりなんですね・・。





そうともいうのぅ!
ならば漣殿はほかに案があるのかね?





・・・ありません。


そういって壱さんはどんどん進んでいく



まずはこの部屋からじゃ!!!!!!


ガチャ



ちょっ・・!!!!
そんな何も警戒せずに扉を開けるなんてっ・・・何かあったら!!!!!


【ビーー、ビーー】



あ・・・・。





ざぁあんねん☆
はずれだばかやろぅ!!!


どこからともなく先ほどのスピーカーの声と同じ声が聞こえて、開いた扉の先の部屋の壁のいたるところに穴が開く
そして
嫌な音が聞こえ始める



長年あらゆるゲームをしてきた僕の経験から考えますと、これは嫌な予感しかしません。





・・・・-ほほっ。


次の瞬間
ドドドドドド
大量にあいた穴から、これまた大量の水が流れ出す



な・・・なにやってくれてんですか!!
壱さんんんんん・・!!!!!


僕は勢いよく身をひるがえして、部屋を見たまま奇妙な笑い声をあげている壱さんの服をつかむ
そして無論、行く当てもなく猛ダッシュ



ほっ・・・、ほほほほほほ!





わっ笑ってる場合じゃないですから!!!!
自分で走ってくださいよおおおお!!!


部屋の扉は閉めたが、不安に思って後ろを振り返ってみたら案の定、水の量が多すぎてドアがはちきれそうになっていた



!!!!
ど・・どこか上に行かなきゃ!!!





んぅ?
・・・・・・・ほう、漣殿、そこの突き当りを曲がって、右の二番目の扉を開けたら上に上る階段があるそうじゃ。





ちょ、それは本当なんですか!?
さっきみたいにちょっとしたお茶目心が発揮して適当☆とかじゃないですよね!!!!??





ふむ、信じぬというのか?
まぁ、このままじゃどのみち二人とも濁流に巻き込まれておわりじゃ。
ほっほっほ♪


たしかに!!!!
水かもう部屋からでて迫ってきている!!
これは壱さんを信じてみるしかない!!!
そう思った僕は突き当りを曲がり、壱さんが指示した部屋の扉を開ける



階段だ!!!!!


扉を閉めて、僕は壱さんを引っ張ったまま、階段を死に物狂いで駆け上がる



大丈夫。
水はもう来ないようじゃ。





は!!??


僕は壱さんの言葉を聞き、階段の下を覗き見る
本当だ、水の来る気配がない
そして不思議なほど静まっていて水の音は全く聞こえてこなかった



はぁ・・・はぁ・・。
取りあえず・・、助かりましたね。





まぁ、のぅ~。


なんとか僕は息を整えて壱さんの方を見る



・・・でもどうして階段の位置が分かったんですか?





ん~?
それは教えてもらったのじゃよ。
その子に。





?
その子?





ひいっ!!!!!
こっち見ないでくださいいいいい!!!!


階段の上のほうに小さな男の子がちらっと見えたが、すぐに隠れてしまった



彼が教えてくれたんじゃ。


僕はお礼を言うために階段を上り、彼に近づく



あ・・君。





ひいいいいいい!!!!
殺さないでえええ!!!??





え、いや殺そうだなんて思ってな・・。


目の前でガタガタ震える小さな男の子に触れようとするが、怯えながらも彼はひょいひょいと華麗に僕の手を避ける



ちょっ。





ひいいいぃぃぃ!
僕を見ないでくださいいいい!!!!


行き場のない僕の手は宙に遊ぶ



・・・・壱さん。





ほっほっほ!
そこの男児よ、怯えずともよい。
漣殿は殺そうとはしておらぬよ。





あ・・・・あなたたちは!





ふむ。
そのとおりじゃ。
わしらはこのゲームの参加者じゃよ。





!?


壱さんは彼が言い終わる前に質問に答える
すると、彼は最初の頃の僕と同じように驚いていた



・・・あなたも特殊能力かなにかの特技が?





ほほっ。
ちとばかし心が読めるでのう。
さっきは助かったわい。
おぬしの心を読ませてもらったから助かったんじゃ。





・・・僕の。





にしてもお主も面白い能力を持っておるのう!
ほっほっほ。





え?





!
こっ・・心を読むなんて反則です!!!





往生際が悪いのではないかな?
自己紹介をしたらどうじゃ?
ほほっ。





?
彼も何かすごい能力があるんですか?





ひっ・・、だから見ないでくださいってばっ!


彼は一度ちらりと壱さんを見やると、ため息をついて観念したかのように僕に向き直った



い・・壱さんと呼ばれる方には自己紹介はいらなさそうなんで・・・。


彼はまだ肩をびくびくさせながらぼそぼそとしゃべりだす



はっ・・・初めまして!!!
一之瀬 卓〈イチノセ タク〉と申しますッ!
ぼ・・・僕の特技は・・・、その・・。





【千里眼】じゃな。





う・・・・はい。





だからわしらが来る様子がみえたんじゃな。
ほほっ、まぁ、助ける気はなかったようじゃが。





うぅ・・。





・・・ひとつ質問しますけど、卓さんは【鍵を集めて脱出する派】ですか?


僕はまだびくつく卓さんにむかって質問した



とっ、当然ですよ!!!!
殺し合いなんてっ・・、考えただけでも恐ろしいですっ!!!!!





よかった・・。
じゃあ卓さんもカギを手に入れるために協力しあいませんか?





あっ・・・、は、はい。


卓さんはまだ僕らを完全には信用していないみたいで、複雑そうな表情をした



じゃあ、まずは階段を上りますか。





はっ、はい!





ほほっ。


こうして卓さんを含めた僕ら三人は、鍵を探すためとりあえずは階段を上ることを決めたのだった・・・
つづく
~罪人リスト~
名前、罪状
童話
特技
No.1 漣 ???
『???』
???
No.2 馨 憂鬱
『子供たちが屠殺ごっこをした話』
???
No.3 壱 ???
『???』
心を読むこと(?)
No.4 菖蒲 ???
『???』
???
No.5 卓 ???
『???』
千里眼
No.6 ??? ???
『???』
???
No.7 ??? ???
『???』
???
No.8 ??? ???
『???』
???



No.1





No.2





No.3





No.4





No.5





No.6





No.7





No.8


